離婚を考えているが,どう進めたらよいかわからない,養育費や財産分与などをどうしたらよいのかなどお悩みの方は多いと思います。以下では,離婚の際に問題となることや手続について,簡単に説明いたします。
まず,夫婦双方が離婚することに合意していれば,離婚することができます。
夫婦の一方が離婚することに合意しない場合には,裁判をする必要がありますが,裁判で離婚が認められるのは,以下の場合となります。
不貞行為があった場合
悪意で遺棄されたとき
生死が3年以上明らかでないとき
強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき
婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
離婚の際に未成年の子がいる場合には,親権者を定める必要があります。
また,未成年の子どもの養育費についても,離婚の時に定めた方がよいでしょう。
養育費の目安については,家庭裁判所で用いられる養育費算定表というものがあり,その算定表が一つの目安となります。
また,協議離婚をする場合に養育費の取り決めを行うなら,その内容を公正証書にしておく方法があります。公正証書を作成しておけば,離婚後に養育費の支払いがない場合には,その公正証書をもとに強制執行を行うことが可能となります。
さらに,離婚後の子どもとの面会(「面接交渉」といいます)をどのように行うかも離婚の時に取り決めた方がよいでしょう。
結婚後に夫婦で築いた財産(貯金,住宅など)がある場合には,その財産の清算(財産分与といいます。)が問題となります。財産の分配の基準については,2分の1ずつと考える場合や財産形成への貢献度を考慮する場合などがあります。
夫が厚生年金や共済年金に加入している場合には,年金分割の手続をとることができます。
不貞行為や暴力が原因で離婚する場合など,相手方に慰謝料を請求できる場合があります。
離婚は当事者間で話し合いをして決めるのが原則です。話し合いの結果,離婚について合意することができたら離婚届を役所に提出します。これが協議離婚です。
もっとも,離婚が問題となる夫婦の間では,もはや話し合いすらできない状況になっていることが多くあります。また,話し合い自体はできても,お互い感情的になってしまい冷静に話し合いをすることが難しい状況にあることも多くあります。
当事者間の話し合いで離婚や離婚の条件について決めることができない場合には,家庭裁判所にいわゆる離婚調停を申し立てます。調停においては,男女2名の調停委員が当事者双方から個別に事情を聞いて調整していく形で離婚や離婚の条件について話し合いをしていきます。
調停でも話し合いが成立しない場合には,裁判所に離婚の裁判を提起することになります。
協議離婚や調停離婚の場合には,離婚に至る経緯がどんなものであったとしても,最終的に当事者間で合意ができれば離婚をすることができたのですが,裁判離婚の場合には,離婚ができる場合が法律で決められていて,離婚を求める側がそれを証拠に基づいて立証しなければなりません。また,裁判にまつわる手続に適切に対応する必要も出てきます。
離婚を考えるようになった夫婦間では話し合いをすることができない状態になっていることが多く,話し合いをするにしても感情的になり冷静な話し合いができないことが多いでしょう。この点,弁護士に依頼すれば,冷静な話し合いが可能になります。
離婚をする際には,離婚をするかどうかだけでなく,財産分与,慰謝料,親権,養育費,面接交渉など様々なことを決めなければなりません。
しかし,こうしたことを決めるにあたり,自己の利益を最大限に反映させるためには,専門的な知識が必要であることも少なくありません。
弁護士に依頼すれば,専門的な知識に裏付けられた適切なアドバイスを得られます。
離婚の手続は,協議離婚,調停離婚,裁判離婚の順に進めることになりますが,特に裁判についは,裁判官に自分の主張をわかりやすく書面にしたり,証拠を整理して提出する必要があるなど適切な対応をする必要があります。また,調停においても,こちらの主張を裏付ける資料などを提出した方がよい場合があります。この点,弁護士に依頼すれば,各手続に応じて適切に対応することができます。