家族が逮捕された時,どうしたらよいのか,この先どうなるのだろうかと不安になるかと思います。また,一度身体を拘束されてその拘束期間が長期化すれば,職を失うおそれが生じるなど大きな不利益が生じることもあります。そのため,刑事事件では早期に適切な対処をすることが重要となります。
以下では,一般的な刑事手続の流れと弁護人の活動の具体例を説明します。
逮捕 → 勾留 → 起訴 → 公判 → 判決
この段階では,まずは被疑者の身体拘束を解放するための活動を行うことが考えられます。
例えば,勾留請求前であれば,検察官に勾留請求をしないよう働きかけたり,勾留請求の却下を求めたりします。
また,勾留された後であれば,勾留に対する不服申立てを行ったりすることが考えられます。
それ以外にも,被害者との間で早期に示談を成立させることにより不起訴処分を求め早期に身体拘束を解放するよう求めるなどの活動を行います。
この段階では,もはや裁判を避けることはできないので,被告人に有利な判決を獲得するための活動を行うことになります。
例えば,情状証人の確保や社会復帰後の仕事先の維持・確保などが考えられます。また,この段階で示談や被害弁償を行っていない場合には,示談や被害弁償に向けた活動を行います。
また,起訴されてから身体を拘束されていれば,その不利益が大きくなるため,身体拘束の解放を求める場合には保釈請求を行うことも考えられます。
このように刑事手続では,早期に弁護人を選任することで早い段階から身体拘束を解放するための活動を行うことができます。
また,当事者同士では感情的な問題から示談のための謝罪すら聞いてもらえないこともありますが,このような場合に弁護人が間に入ることで示談の成立に向けた活動を行うことができます。